保育士として働いて20年経つ私。保育士という仕事に誇りを持ち、やりがいを感じて日々子どもたちや保護者と向き合っています。

20年という長きに渡り保育士をしてきましたが、子どもが大好きだから、という理由だけで保育士をしている人はいったいどれくらいいるのだろう。

という疑問を抱えています。それは、正職員で中堅の私の年収。ここで暴露してしまうと、およそ300万円。月額手取りで18万円。この数字が多いのか、少ないのか・・・。

保育士になった理由は?

私が保育士を志望した理由は、母親が保育士(園長)だったから。幼い頃からピアノを習い、母親とお風呂に入る時には必ず「保育士はやりがいのある仕事なのよ。給料も高いのよ。」と話を聞かされました。

ほぼマインドコントロールのような状態で、保育士という仕事への母親の情熱を語られて育ってきました。

「私には保育士の仕事しかない。」といつしか思うようになり、ほぼ自動的に短大の保育科へと進み、卒業と共に私立保育園へと就職しました。

保育士としてスタートした時は、臨時保育士での採用。給料は月額平均8万円~9万円。「臨時保育士だし、まだ新人だし、仕方がない。」と同時に、「いつか正職員になって安定した収入を貰うんだ!!」という闘志を燃やすまでになりました。

しかし、新人でありながらもベテランの先生方と同じ書類作成業務をこなし、早番・遅番などのシフトをこなし、季節ごとに行われる行事の前には製作物や衣装作りを家庭に持ち帰って夜中まで行い、子どもたちの頑張る姿や保護者の喜ぶ姿をみて安心すると同時に、

「これだけの激務をこなしてきたのに、なぜ正職員と給料に差が出るの?なぜ家庭にまで持ち帰って仕事しているのに残業代がつかないの?」

と不公平感を薄々感じておりました。

やりがいだけを追い求め、気がつかなかった給料の差の盲点

私が保育士として3年ほど勤めた頃、働きが認められて正職員へと登用されました。この時は本当に嬉しくて、激務をこなしてきた自分を褒めてあげ、これからの自分の励みとなりました。正職員という責任感ということもあり、激務も苦にならず取り組めるようになりました。

しかし、正職員になってもらった給料の明細を見ていくうちに、なんとなく不安も出てきました。その時の給料は初任給として手取り約16万円。まあ、臨時の頃は祝日などがある月は給料が下がったりしていたので、だいたい毎月安定した額を貰えるからいいのかな、と考えていました。

正職員になって3年~4年過ぎた頃には少しずつ昇給はしていったものの、手取りは毎月約17万円。ボーナスはあるものの、何かが違う気がすると思っていました。

どうも母親から聞いていた「保育士は給料が高い」という話しをよくよく考えてみると、私の母親は公立保育園の園長。公立ということは市町村が運営している施設なので地方公務員ということになるのです。

公務員だから給料が高く安定していたのです。しかし、私が働いていた私立保育園は国からの補助金により運営されているので公務員ではなく、施設長が決めた給与基準により支給されるわけです。

公立保育園も私立保育園も、仕事の内容には差がないはずなのに、公務員とそうでない保育士というだけで、給料に大きな差が出てしまうのです。

20年続けてきた保育士という仕事。今の年収で満足できるのか?

現在、2児の母親をしながら保育士の仕事を続けている私。子どもが大きくなっていき、マイホームを建てて生活しているのですが、20年前の給料と比べるとそれほど昇給していないことがお分かりいただけると思うのです。

この先も昇給がほとんどないままなのだろうかという不安はもちろんあります。先輩の先生に「この先給料はいくらになりますか?」なんて聞けないし、周囲の同級生で保育士以外の仕事をしている人に話を聞いても、私より年収ははるかに高い。この差はいったい何なのだろうか。

アベノミクスなどという政策で、保育士の給料を上げて待機児童の削減に繋げようと掲げられていますが、それが実現するのは消費税が10%になり、尚且つ財源が予定通りに確保できてからの話。

保育士の中でも私立と公立で給料の差がある現状を政府は知っているのだろうか。私立保育園で働く私たちの声は、政府にいつか届くのだろうか。

そんな不安を抱えながらも、転職する勇気もなく、スキルもない私は、日々保育園に通ってくる子どもたちや保護者のため、我が子の生活を守るために、必死にしがみついて保育士という仕事を続けているのです。